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死ぬ前に抗う

第三の○○

一杯だけと決めて、大衆居酒屋へ駆け込む。カウンターに案内されてレモンサワーを注文。ここの店で有名なお酒はレモンサワー。レモンサワーの先駆けと言われているようですけど、いたって普通のレモンサワーなんですよね。ただ、レモンをお酒で割ることが普及したことには本当に感謝しています。チェーンの居酒屋になるとシロップとかのレモンサワーが出るけど、ここは正真正銘のレモンがまるごと一個出てくるから嬉しい。サワー類は生の果汁じゃないと美味しくないから、嬉しいですよね。

 

 

 

隣に座っている70過ぎの小太りな女性が先に座っていまして。その人のテーブルを見るとグラスが4つも置いてあるから、「相当飲んでるな」と思い、少しだけ警戒をしていました。首元にはエルメスのスカーフを巻いて時計はカルティエ、眼鏡もなんとなく高級品を漂わせる感じ、ネイルはオレンジ色を纏っている。品が良さそう、なのは見た目だけで酒や食べ物口に含めると口腔内から一気に空気を吐き出して唇の震えからくる謎の音「ンパッ」が聞こえてくる。すげー気になる。すげー気になるから、チラッとだけ横目で様子を伺おうとすると私のことを見ていて目が合った。会釈をすると向こうも返してくれた。けど、すぐに私の右腕らへんを叩いてきた。「あんたピッチが早いよ」

まさか話しかけられとは思わなかった。しかも、ペチンって叩くっていうのはまあまあの親しみを込めたスキンシップだ。相手にソフトな突っ込みをするっていうのはお察しの通りそれなりの距離感になります。初対面ですけどね。

 

お酒の飲み方を指摘されたので、

 

『喉が渇いてたもんで(苦笑)』

 

「そうなの?まあ暑かったししょうがないね!ここのレモンサワーは美味しいからね!」

 

許しを得たようで安心。それよりもこの70歳過ぎのババアにはグラスが4つも置いてあるし既にヘベレケなんだろう、と思ったいたら私の飲むスピードやレモンサワーが有名な店、おまけに「ここの食材は鮮度がいいよー」なんて店の紹介もしてくれる。この人素面なんだな、って思いました。相づちを打って話を聞いていました。ババアのお通しも、

 

「兄ちゃん食べなよ、もう私は歯がいかれてるからこんな硬いの食べれないよ」

 

柿の種である。柿の種が厳しいのであれば、本当に厳しいのだな。

 

「私はねえ、◯◯(飲んでいた街の名前)では第三のホームレスって言われてるのよ、それくらい外で飲んでいるのよ、つまり朝まで飲んでるってことよ(ドヤ)」

 

くそ汚ねえババアじゃねえか。エルメスカルティエが可哀想だ。このババババババババババババッバ