ちょいワルだった
いつもの散歩コースを行く。
いつもと違うのは時間帯。
少しだけいつもよりは早く10時頃に歩いていた。
ボクサー犬がいた。やや挙動不審のようで後ろ、前、後ろ、前と何かを察しているのか首を回す。上唇のタフタフが揺れて可愛い。ボクサー犬の家系はこのタフタフが特徴であり、私が大好きな犬種だ。
タフタフを5mくらいの距離でじっと見つめる。和む。可愛すぎる。好きだ。
そんな様子を見ながら歩みを進めて、すれ違いざまに飼い主の顔を見ると外国の方だった。
あれ?ジローラモだ!
気が付いたけど、ジローラモはそのまま真っ直ぐに私が歩んでいた道程を進んでいった。一瞬しか見ていないけど、ジローラモってジローラモなんだな。
深めに被っていた帽子からでも、あの目力と口角を上げたときの不良っぽいニヤつき、ヨーロッパ人特有の色気は滲み出ていた。やっぱりちょいワルだ。国産メーカーのジャージ上下でニット帽を被っていても、やはりちょいワルなんだな。